
「新型コロナウイルス(COVID-19)」便乗脅威の最新情報
〜ソーシャルエンジニアリングの手口の変化〜
新型コロナウイルス(COVID-19)は、スパムメール、ビジネスメール詐欺(BEC)、マルウェア、ランサムウェア、不正ドメインなど、さまざまな攻撃に利用されています。コロナウイルスに苦しむ人々が数千人規模で増加するにつれ、コロナウイルスに便乗する脅威も同様に増加しています。トレンドマイクロのリサーチャは、コロナウイルスに便乗するサイバー犯罪で利用されるサンプルを定期的に入手しています。また、外部のリサーチャからも様々なサイバー犯罪が報告されています。
現在話題のニュースやイベント、人気の人物を利用するソーシャルエンジニアリングを使った攻撃は、サイバー犯罪者の常套手段です。新型コロナウイルスは、2020年の第3四半期でもトップニュースであり続けました。トレンドマイクロでは、コロナウイルスをおとりとして利用する脅威が、2020年9月に飛躍的に増加していることを確認しました。急増した攻撃には、ソーシャルエンジニアリングの手口の変化が見られました。サイバー犯罪者は、コロナウイルス関連情報を利用してユーザをだます代わりに、学校からの通知や求人情報を利用しました。例えば、コロナウイルス対策の一環として、多くの学校では生徒の健康状態に関する情報を必要としています。これに便乗した攻撃として、2020年10月下旬、カナダのブリティッシュコロンビア大学の職員を対象とした偽の健康調査にランサムウェアが隠されていたことが、セキュリティ会社のMalwareBytes Labによって報告されています。
フィッシングメールで使用されるヘッダも変更されました。サイバー犯罪者は、COVID-19を件名に利用するのではなく、求人関連の件名でユーザをだまし、スパムメールを開封させています。パンデミックがもたらした景気の低迷により多くの人々が仕事を失い、仕事を探しています。サイバー犯罪者は、そのようなユーザにクリックさせるために、より効果を上げるための最も効率的なおとりを利用します。
<記事に関連した、ウェビナー&資料のご案内>
再びスパイクの気配〜ビジネスメール詐欺の手法と対策~
攻撃者の視点で考え「抑え処」を知る
- Microsoft 365/Google Workspaceの企画・運用部門の管理職及び担当の方向け
- メールセキュリティの管理職及び担当の方向け
このように多様な手法を用いてフィッシング詐欺を仕掛けてくる攻撃者に対して、本ウェビナーでは、
1. 最新のビジネスメール詐欺(BEC)の状況
2. BECの攻撃手法(攻撃者は何を回避しようとしているか)
3. BEC攻撃手法から考える必要な対策コア技術
といった3つの観点から、リスクを軽減するための重要なポイントを解説しています。