
「クラウド利用に関する実態調査 2021」
新型コロナウイルスの感染拡大で約9割の法人組織がクラウド利用を加速
最も重要と考えるクラウド環境のセキュリティソリューションを一つ選択する質問では、全世界では、ネットワークセキュリティ(27.6%)、クラウドセキュリティポスチャ管理(26.2%)、およびクラウドアクセスセキュリティブローカー(18.9%)でした。日本だけに限定した結果では、ネットワークセキュリティ(30.0%)、クラウドアクセスセキュリティブローカー(22.0%)、コンテナセキュリティ(21.0%)でした。
この結果は、クラウドを利用するメリットの一つであるサーバレス環境やコンテナ環境など、利用者側でホストOSの管理をする必要のない環境を、ネットワークセキュリティで保護する需要があることが示唆されます。これらの環境への不正アクセスや脆弱性を悪用する攻撃を防ぐためにも、ネットワーク上で不正な通信からの検知・ブロックを行うネットワークセキュリティによる対策が求められます。また、容易に使い始めることができるクラウドだからこそ、設定不備などによるセキュリティインシデントが発生しないよう対策を行うツール利用の需要が高いことが分かりました。
加えて、日本ではコンテナ利用の需要が高まっており、コンテナに対するセキュリティ対策が重要視されていることが見受けられます。コンテナを利用する上では、運用前のシステム開発時にコンテナイメージ内の脆弱性やクラウドサービスのアクセスキーをスキャンするなどし、コンテナイメージのリスクを可視化することが重要です。可視化することで、修正パッチの適用や予めセキュリティ製品を用いて脆弱性を悪用する攻撃を防ぐなど対策を講じることができます。
(2021年1月に掲載)